物品収納

2017年4月21日 (金)

7)Kallaxシリーズ

 つい最近まであったExpeditシリーズのリニュアル版。単純な縦と横の板だけで作られた書棚主体のユニットです。正方形のマス目の内法はExpeditと同じですが、天板・地板・左右側板の板厚が少し薄くなり、外形寸法は多少小さくなっています。見た目はほとんど同じです。
写真(1)ホワイト2x4マスの横づかいにアクセサリー
Kallax1
 Expedit(このKallaxも)の魅力は「シンプルな正方形の繰り返し」による「シンプルな空間の演出」です。壁際に置いても、部屋の中央に置いて間仕切りとして使っても、きれいにまとまりインテリアデザイナーにとっては非常に有難い商品です。
 同じデザイン手法の家具は他にもありましたが、組立てや分解ができない完成品(=大きいと部屋に運び入れられない)であったり、金具で処理しようとして構造の難しさから値段が高くなったりして一般的ではありませんでした。ところがExpeditは単純な、「長さの長い木ダボをめったやたらと使いまくる」という思い切った構造の採用で、このシンプルで個性的なデザインを一挙に一般的な値段の商品にしたのです。イケアの傑作だと思います。
写真(2)木目(明)2x4マスの縦づかい。勿論横遣いも可。天板下に見えるのは壁面固定用L型金具とそのカバー
Kallax2
写真(3)ブラックブラウン2x2マス・正方形
Kallax3
写真(4)ホワイト1x4マスの縦づかい
Kallax4
写真(5)ブラックブラウン5x5マス・正方形
Kallax5_2
 しかしExpeditからKallaxに変わり、寸法の変化よりも気になる大きな違いは、このKallaxシリーズになってから、内部のアクセサリーを増やして、より幅広い用途に使える事をアピールすることにイケアが重点を置き始めた事です。
 個人的な見方ですが、このアクセサリー類を前面に出す売り方は、もともとExpeditの持っていた魅力をむしろ削いしまう恐れがあると思います。特に木目の仕上げ(フォイルです)のフレームに同色のドアや引き出しを付けると、途端に「普通の家具」になってしまいます。最初の写真(1)のように、木目でないホワイト等の色仕上げの場合はまだ良いのですが。
写真(6)木目(明)2x2マスに引き出し
Kallax6
Kallaxシリーズのお勧めのポイント
1)単純明快なデザイン。
2)仕上げのきれいさ。値段の割にリッチな感じさえします。
3)そのため一見まったく違うモダンな部屋でも、クラシックスタイルやカントリースタイルの家具とも調和可能。
4)安全のための壁面固定具、最小限ですがついています。 
Kallaxシリーズの注意しなければならないポイント
1)使い心地、決して「機能的で非常に便利」ではない。そのために「アクセサリー等」を増やしているが、上記の「お勧めのポイント」が崩れてしまう。
2)大きなもの(特に5x5)はかなり重い。横たえて組み立てる必要があるが、立ち上げるのにはかなり力が必要。持ち上げるため手を床との間に入れるのも非常に大変。これについては組立説明図にも対処方法が載っているが。
3)組立作業は単純だが、注意と腕力が必要。また横たえて作業する空間の確保が絶対必要。
4)天板・地板・2枚の側板、つまり厚い板はフレーム構造(=中空構造:業界用語でフラッシュ構造)です。組み立ての際も分解の際も、側板をたたく必要があり、硬いものでたたくと表面のMDF(繊維板)が割れてしまうのでラバーハンマーがあると非常に便利です。手でたたいても良いですが、結構手が痛いので。
5)移動式のキャスターセットは、いくらロック機構が付いていても使用はお勧めできません。キャスターの回転を止めておいてもそのまま床を滑ってしまいます。地震が起きたら走る凶器になりかねません。
写真(7)木目(暗)2x4マスに扉とキャスターを付けたもの。重ねて言いますが、キャスターの使用はお勧めできません。
Kallax7

2017年4月 1日 (土)

3)Billy書棚シリーズ

 現在のイケアの商品の中でも、最も長年(1980年代初めより)多少の変更はありましたが、販売されてきた長寿商品の一つです。元々はシンプルな書棚(幅2種類、高さ2種類)だけでしたが、少しずつアクセサリーを増やして現在の幅広いシリーズになっています。基本的には安くても最小限の機能は充分に果たす、イケアをある意味象徴する商品です。
 ただし、幅広いシリーズとなった分、限界と問題も出てきています。そのことを一番分かっているのは多分イケア自身でしょうが。
写真(1)幅80cm x高さ202cmに高さ35cmの上置き付き(総高237cm)
横方向矢印(←)が本体と上置きの境目。上置きには地板無し。
Billy1
 1980年代から、一番大きく変わったのは幅のモデュールです。始めは幅90cmと60cmでしたが、現在は80cmと40cmに変わっています。ここにBillyの持つ宿命が表れています。(少しオーバーですが)シンプルな構造で収納力たっぷりな書棚と、機能面ではこれで充分だったのですが、構造上幅広いユニットでは棚が本の重みでたわんで中央が沈んでしまうのです。高い方の中央の棚は固定ですが、その上下2枚ずつは側板に差し込んだピンの上に載せる最も平凡な方法です。90cmではあまりに中央が沈みすぎ、両サイドのピンの部分が空いてしまい目立ちすぎ不安でしたので80cmにしたのでしょう。90cmよりはかなりマシになっていますが、でもやはり完全な解決はしていません。そういった理由から、私のお勧めは幅40cmタイプでそろえる事です。勿論価格は上がってしまいますが本が倒れにくく使いよいですし。
写真(2)幅40cm x 高さ202cm
Billy2
 更にその後、Billyシリーズには上置き棚、コーナー棚、扉等たくさんのアクセサリーが加わりました。安めの万能ユニットとした幅広い役割を与えたかったのでしょう。でも特に扉については私は否定的な見方をしています。見た目はすっきりとしたグッドデザインですが、はっきり言って金物類が貧弱、安っぽく長期使用には難しいと思います。
 またドアを付けて開くとドアの重量で書棚自体が手前に倒れる恐れがあります。軽いドアですが、本体の奥行きが浅い(28cm)ので。イケアは「必ず壁面に固定」するよう説明していますが、このBillyをそろえるであろう家庭は賃貸住宅の可能性が大きく壁面には傷をつけにくいはずです。総合的に見ても扉付きはお勧めできません。
写真(3)扉付き幅80cm x 高さ202cmを2連
Billy3
お勧めのポイント
1)
特に基本ユニットは書棚としての機能を果たし、無駄がない。品質もOK。
2)
最小限の部材とシンプルな構造で、プライスリーダーの役割を十分に果たしている。
3)
化粧シート貼だけでなく、突板のものもありどのようなインテリアにも対応できる。
写真(4)ロータイプ 幅80cm x 高さ106cm
Billy4
注意しなければならないポイント
1)
奥行きが浅く(28cm)手前に倒れないよう工夫が必要。最小限の壁面固定具はついているが、日本の住宅事情では使用が難しい。
2)
幅80cmタイプでは、重い本を入れると、棚中央部が沈み湾曲が見える。幅40cmはOK。
3)
扉のヒンジは貧弱。スプリングも弱い。この部分だけ見ると、「使い捨ての安物」風。
4)
扉調整の遊びがやや少なく、調整し辛い。
5)組立の際、背板を溝に差し込むのに裏板を本体にあてがう際に空間が必要です。

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