物品収納

2017年6月15日 (木)

13)Bestå(ベストー)システムユニット

 おそらくイケアで最も多い組み合わせのバリエーションを持ったシリーズです。リビングルーム、SOHO、その他の部屋にも何らかの形で入る事の出来るシリーズなので、イケアの売り場に占める面積もかなり大きくなっています。
写真(1)使用例
Besta20154_3
サイトのキャッチコピーをコピペすると次のように書かれています。
『BESTÅ/ベストー リビングルーム収納システムはリビングルームに必要なものをすべて整理整頓できるスタイリッシュなソリューション。イケアのおすすめのコンビネーションから選ぶこともできますが、BESTÅ/ベストー 収納プランナー を使って自分だけのオリジナルコンビネーションをデザインすることもできます。照明や引き出しの仕切りを使って、きれいな整理整頓を実現できます。家族が増えたり、最新のDVDをシリーズでまとめ買いしたりして収納するものが増えても、BESTÅ/ベストーなら、あとからユニットを追加できるので安心です。』
写真(2)使用例
Besta20134
右上のガラスドア付き棚は壁へ直接取り付けるタイプです。(注:後記)
お勧めのポイント
1) 機能的で仕上げがきれいなデザイン。
2) 組立は比較的簡単
これだけで良くできたシステムである事が分かります。でも、いろいろな家庭で組立等手伝った経験から、細かい点にかなり気になるところも多く、商品の美しさにほれ込んで買われる前に、ぜひご一考ください。
注意しなければならないポイント
1) 比較的小型のユニットの組み合わせで出来た商品です。合計するとイケアの商品としてはかなり高価格になる可能性があります。
2) ドアの引手はチョイスできますが、ノブタイプや大きさの違うハンドルタイプがあるため、固定用のネジ穴は扉に付いていませんのでドリル等が必要な場合があります。
3) このためプッシュオープンタイプを積極的に使っています。しかしこのプッシュオープン金具、私は嫌いです。ドアはすべてプッシュするために少し浮いた状態で取り付けられる事になります。またその隙間調整はかなり微妙で手間がかかりますし、時間が来ると再調整する必要が起きる場合も結構あります。
写真(3)ヒンジとプッシュオープン金具
Bestahingecatch_2
4) 側板の内部奥行きが棚板の奥行きより大きくなっています。扉を付けて棚が見えなくなる場合は通常の棚受けピンを使いますが、この場合、棚と扉の間に隙間が空き、棚と裏板の間には隙間ができません。しかし棚板が外から見える位置に付け、その下側に扉を付ける場合、つまり棚板が扉部の天板の役目をする場合はこれでは棚と扉の間に隙間が出来てみっともなくなるので、「特別な付属の金具」を使い、棚の位置を前にずらし扉との隙間をなくします。この場合は棚板と裏板の間に目立ちませんが隙間が出来ます。イケアとしてはこの隙間はコード等の配線用の空間として使えるので機能的と言いたいのでしょう。その是非はともかく、この「特別な付属の金具」が商品のレベルからするとあまりにもお粗末すぎます。ペラペラの金属板で取り付け時無理をするとすぐに変形してしまいます。
写真(4)棚と扉部の図
Bestashelf
5) イケアはこのシリーズの展開に、壁に直接キャビネットを取り付ける「吊り棚」方式を積極的に進めています。サイトの写真や売り場のディスプレイで。例)上記写真(2)の右側の吊り棚。
でもほとんどの日本の家屋は現在ヤワな耐火ボードを壁に使っており、この固定が大変。せっかく自分で組み立ててもこの取り付けは工務店に頼まなければならないことが多いのです。勿論素人にも取り付けられるよう、良く考えられた壁面取り付け用レールなどもオプションであるのですが、基本的な壁材料の問題は解決できません。ボード用アンカーを正確に取り付けるのは結構大変です。前もって取り付け用の壁にコンパネ等を使っておけば良いのでしょうが、それが出来るお宅は限られています。イケアの組立サービスの場合、新築の場合日にち調整が難しいのが問題になります。いずれにしても取り付けは大変です。扉や内部アクセサリーを含めると、重量はかなり大きくなり、壁にかかる負荷がかなり大きいのです。
6) 最近あまり見かけませんが以前はスライドドアをかなり積極的に使っていました。しかしこの金具も非常にデリケートであまり関心しませんでした。PAXのスライドドアは本格的でしたが、こちらは「思い付き」的な構造でした。
写真(5)単品的な扱いのハイキャビネット
Besta0350782
こちらはお勧めできます。

7) ただし上写真は2連連結での写真ですので、思ったより値段は上がります。またこのキャビネットには小さなアジャスターが付いており高さを調節できるのですが、床の状態によっては引き出しやドアの下端が調整しても床を擦ってしまう事があります。特にカーペット床の場合は擦ることが多く、別売りの脚が必要になる可能性があります。この場合すべて組み立てた後の脚取り付けで取り付けが面倒ですし、デザインもかなり変わってしまいます。要注意です。
写真(6)上のキャビネットの引き出し部。仕上げがきれいです。
Besta591415
引き出し部の金具は良くできています。

2017年4月21日 (金)

7)Kallaxシリーズ

 つい最近まであったExpeditシリーズのリニュアル版。単純な縦と横の板だけで作られた書棚主体のユニットです。正方形のマス目の内法はExpeditと同じですが、天板・地板・左右側板の板厚が少し薄くなり、外形寸法は多少小さくなっています。見た目はほとんど同じです。
写真(1)ホワイト2x4マスの横づかいにアクセサリー
Kallax1
 Expedit(このKallaxも)の魅力は「シンプルな正方形の繰り返し」による「シンプルな空間の演出」です。壁際に置いても、部屋の中央に置いて間仕切りとして使っても、きれいにまとまりインテリアデザイナーにとっては非常に有難い商品です。
 同じデザイン手法の家具は他にもありましたが、組立てや分解ができない完成品(=大きいと部屋に運び入れられない)であったり、金具で処理しようとして構造の難しさから値段が高くなったりして一般的ではありませんでした。ところがExpeditは単純な、「長さの長い木ダボをめったやたらと使いまくる」という思い切った構造の採用で、このシンプルで個性的なデザインを一挙に一般的な値段の商品にしたのです。イケアの傑作だと思います。
写真(2)木目(明)2x4マスの縦づかい。勿論横遣いも可。天板下に見えるのは壁面固定用L型金具とそのカバー
Kallax2
写真(3)ブラックブラウン2x2マス・正方形
Kallax3
写真(4)ホワイト1x4マスの縦づかい
Kallax4
写真(5)ブラックブラウン5x5マス・正方形
Kallax5_2
 しかしExpeditからKallaxに変わり、寸法の変化よりも気になる大きな違いは、このKallaxシリーズになってから、内部のアクセサリーを増やして、より幅広い用途に使える事をアピールすることにイケアが重点を置き始めた事です。
 個人的な見方ですが、このアクセサリー類を前面に出す売り方は、もともとExpeditの持っていた魅力をむしろ削いしまう恐れがあると思います。特に木目の仕上げ(フォイルです)のフレームに同色のドアや引き出しを付けると、途端に「普通の家具」になってしまいます。最初の写真(1)のように、木目でないホワイト等の色仕上げの場合はまだ良いのですが。
写真(6)木目(明)2x2マスに引き出し
Kallax6
Kallaxシリーズのお勧めのポイント
1)単純明快なデザイン。
2)仕上げのきれいさ。値段の割にリッチな感じさえします。
3)そのため一見まったく違うモダンな部屋でも、クラシックスタイルやカントリースタイルの家具とも調和可能。
4)安全のための壁面固定具、最小限ですがついています。 
Kallaxシリーズの注意しなければならないポイント
1)使い心地、決して「機能的で非常に便利」ではない。そのために「アクセサリー等」を増やしているが、上記の「お勧めのポイント」が崩れてしまう。
2)大きなもの(特に5x5)はかなり重い。横たえて組み立てる必要があるが、立ち上げるのにはかなり力が必要。持ち上げるため手を床との間に入れるのも非常に大変。これについては組立説明図にも対処方法が載っているが。
3)組立作業は単純だが、注意と腕力が必要。また横たえて作業する空間の確保が絶対必要。
4)天板・地板・2枚の側板、つまり厚い板はフレーム構造(=中空構造:業界用語でフラッシュ構造)です。組み立ての際も分解の際も、側板をたたく必要があり、硬いものでたたくと表面のMDF(繊維板)が割れてしまうのでラバーハンマーがあると非常に便利です。手でたたいても良いですが、結構手が痛いので。
5)移動式のキャスターセットは、いくらロック機構が付いていても使用はお勧めできません。キャスターの回転を止めておいてもそのまま床を滑ってしまいます。地震が起きたら走る凶器になりかねません。
写真(7)木目(暗)2x4マスに扉とキャスターを付けたもの。重ねて言いますが、キャスターの使用はお勧めできません。
Kallax7

2017年4月 1日 (土)

3)Billy書棚シリーズ

 現在のイケアの商品の中でも、最も長年(1980年代初めより)多少の変更はありましたが、販売されてきた長寿商品の一つです。元々はシンプルな書棚(幅2種類、高さ2種類)だけでしたが、少しずつアクセサリーを増やして現在の幅広いシリーズになっています。基本的には安くても最小限の機能は充分に果たす、イケアをある意味象徴する商品です。
 ただし、幅広いシリーズとなった分、限界と問題も出てきています。そのことを一番分かっているのは多分イケア自身でしょうが。
写真(1)幅80cm x高さ202cmに高さ35cmの上置き付き(総高237cm)
横方向矢印(←)が本体と上置きの境目。上置きには地板無し。
Billy1
 1980年代から、一番大きく変わったのは幅のモデュールです。始めは幅90cmと60cmでしたが、現在は80cmと40cmに変わっています。ここにBillyの持つ宿命が表れています。(少しオーバーですが)シンプルな構造で収納力たっぷりな書棚と、機能面ではこれで充分だったのですが、構造上幅広いユニットでは棚が本の重みでたわんで中央が沈んでしまうのです。高い方の中央の棚は固定ですが、その上下2枚ずつは側板に差し込んだピンの上に載せる最も平凡な方法です。90cmではあまりに中央が沈みすぎ、両サイドのピンの部分が空いてしまい目立ちすぎ不安でしたので80cmにしたのでしょう。90cmよりはかなりマシになっていますが、でもやはり完全な解決はしていません。そういった理由から、私のお勧めは幅40cmタイプでそろえる事です。勿論価格は上がってしまいますが本が倒れにくく使いよいですし。
写真(2)幅40cm x 高さ202cm
Billy2
 更にその後、Billyシリーズには上置き棚、コーナー棚、扉等たくさんのアクセサリーが加わりました。安めの万能ユニットとした幅広い役割を与えたかったのでしょう。でも特に扉については私は否定的な見方をしています。見た目はすっきりとしたグッドデザインですが、はっきり言って金物類が貧弱、安っぽく長期使用には難しいと思います。
 またドアを付けて開くとドアの重量で書棚自体が手前に倒れる恐れがあります。軽いドアですが、本体の奥行きが浅い(28cm)ので。イケアは「必ず壁面に固定」するよう説明していますが、このBillyをそろえるであろう家庭は賃貸住宅の可能性が大きく壁面には傷をつけにくいはずです。総合的に見ても扉付きはお勧めできません。
写真(3)扉付き幅80cm x 高さ202cmを2連
Billy3
お勧めのポイント
1)
特に基本ユニットは書棚としての機能を果たし、無駄がない。品質もOK。
2)
最小限の部材とシンプルな構造で、プライスリーダーの役割を十分に果たしている。
3)
化粧シート貼だけでなく、突板のものもありどのようなインテリアにも対応できる。
写真(4)ロータイプ 幅80cm x 高さ106cm
Billy4
注意しなければならないポイント
1)
奥行きが浅く(28cm)手前に倒れないよう工夫が必要。最小限の壁面固定具はついているが、日本の住宅事情では使用が難しい。
2)
幅80cmタイプでは、重い本を入れると、棚中央部が沈み湾曲が見える。幅40cmはOK。
3)
扉のヒンジは貧弱。スプリングも弱い。この部分だけ見ると、「使い捨ての安物」風。
4)
扉調整の遊びがやや少なく、調整し辛い。
5)組立の際、背板を溝に差し込むのに裏板を本体にあてがう際に空間が必要です。

その他のカテゴリー

2017年7月
            1
2 3 4 5 6 7 8
9 10 11 12 13 14 15
16 17 18 19 20 21 22
23 24 25 26 27 28 29
30 31          

最近のトラックバック

最近のコメント

家具&木工検索エンジン